青年海外協力隊 駒ヶ根訓練の目標管理に“けん玉を極める”と書いたらガチで管理された件

前回の記事の通り↓

残念なお知らせ 青年海外協力隊は駒ヶ根の地から歓迎されていなかった

2017.06.23
かなりネガティブなところから駒ヶ根での訓練生活がスタートしたオチョ(@diadecanicula)だけど、この記事ではそんな訓練の一番最初にやらされることになる目標管理について書くことにする。

その名の通り、この70日間の訓練期間中にどんなことを達成したいか、どんな能力を習得したいか、という目標を設定し、その実現に向けて訓練所スタッフと一緒になって管理する、というものだ。

どんな目標を設定するべきか、逆にどんな目標設定は避けるべきか、自身の経験を踏まえながら解説する。

私の目標はけん玉と折り紙

青年海外協力隊駒ヶ根訓練所(以後:KTC)、候補生達はこの場所に何を期待してくるのだろうか?

外国語の習得、まぁ、先ずはこれが絶対第一の目的でありこれが全てといっても過言ではないかもしれない。

実際に私がそうだった。

スペイン語の習得にしか興味が無かった。

正直、既に英語ペラペラの人が英語圏の国に派遣される予定で訓練所に入所するときのモチベーションが私には理解できないくらいだ。

外国語以外には何があるだろう?

仲間を作る、まあこれも大事だ。

年代も職業も違う、様々なバックグラウンドを持った人たちと70日間にわたって共同生活をするなんて、長い人生の中でもそう滅多に経験できることではない。

あとは、いわゆる駒ヶ根マジック?

まあこれは、好きにヤッてくれ。

さて、私がこのKTCで期待していたこと、即ち目標、それもスペイン語習得以外の目標であるが、それは

  • けん玉が出来るようになること
  • 折り鶴を折れるようになること

の二つあった。

一見、そんなのが目標?と思われるかもしれないが、私にとってはこれがとても重要だったのである。

現地の人とのコミュニケーション、その大半はスペイン語によるわけだが、海外で仕事をした経験があって外国語に苦手意識のない私でも、スペイン語ははじめて学ぶ言語、最初のうちは苦労するであろうことは容易に想像できる。

そんな時の保険になるのが、言語以外のコミュニケーションツールとなる特技をどれだけ持ち合わせているかである。

例えば音楽はまさにその代表格だ。

ギター一本もって途上国の村で演奏してみたらどうなるか、言語などしゃべれずとも、たちまち村の人気者になれることであろう。

自分が村人の前でギター一本持って演奏している姿を想像してみる。

するとあの歌を思い出す。

N氏
もしも、ギターが、、弾け、たーなら

N氏
だけどーーー、僕にーはギターがないー、君にーー聴かせーる腕ーもないー

と、いうわけで、残念ながらギターを弾くどころか、ピアニカもろくに弾けない、リコーダーは穴を半分塞ぐ『サミング』でギブアップ、そもそも楽譜はスタッカートの意味ぐらいしかわからない私にとって、ギターでコミュニケーションをとるなど夢のまた夢である。

ではスポーツはどうか。

サッカー部ならリフティングしてみせようか、バスケ部ならボールを指の上でくるくるして見せようか、野球部なら一発でキャッチャーフライを上手に上げてみせようか。

否、私は過去ラグビー部である。

中米でのラグビーの普及率など、日本におけるセパタクローの普及率と同じようなものだ。

というか前回のワールドカップであの強豪国、南アを倒すという奇跡を起こした日本ですら、未だに初対面の人に

オチョ
自分ラグビーやってました

というと、

おんなA
えー、すごーい、、、、ってかラグビーとアメリカンフットボールとどう違うんですかー?

オチョ
(イラっ)えーっと、、、ほっっっとんど同じです

このようなやりとりから始めなければならないとは、2019年のワールドカップ開催国とは思えないほど知名度の希薄さである。

日本ですらそんなものだから、“ラグビー経験者”は中米のグアテマラでは応用できる機会が極めて少ない。

そこで目をつけたが日本の伝統文化とも言うべき古くから伝わる子供の遊び、けん玉と折り紙である。

これなら自分でも出来そうだし、ただ現地の人とコミュニケーションをとるツールになるだけではなく、お互いの文化交流をするきっかけにもなるのではないだろうか。

そう考えた私は駒ヶ根に行く前に地元のホームセンターでけん玉と折り紙を購入し、駒ヶ根の地に赴くのであった。

目標設定は定量化できて、達成可能で、役に立つものを

KTCに入ると早速、目標管理シートなるものの作成を指示された。

この70日間で達成すべき目標を自ら設定し、その進捗を訓練所スタッフと管理していく、というものだ。

私は迷わずこの目標に“けん玉”“折り紙”の二つを設定した(あと、風邪を引かない、という目標も設定した)。

目標を設定する際には大きく3つのポイントを意識した。

定量化できること

例えばこういうとき、集団生活ゆえによく“リーダーシップを身につける”、や“マネジメント力を身につける”といったものを目標に掲げてしまいがちな人がいるが、それってどうやって定量化するのか?

班長、を勤めればリーダーシップが身につくのだろうか?

飲み会の幹事をやればマネージメント力が身につくのか?

このように定量化が難しい目標を選んでしまうと、達成/未達成の判断基準が曖昧になりがちで、結果的に自己満足に陥る危険性がある。

達成可能であること

積極的な人間になる、、、優しい人間になる、、、いやいや、待ちたまえ。

20年以上生きてきてある程度の性格というか、集団に入ったときに担う役割みたいなものって、まあほぼ固定化してきていると思うが、そんな20年以上付き合ってきた性格を駒ヶ根でのたったの70日間で飛躍的に変化させるというのは無理があるというものだ。

性格を変えるよりも寧ろ、今の性格の強みを見つけて伸ばすにはどうしたらいいか、を模索するほうがずっと現実的である。

役に立つこと

全ての講義、無遅刻無欠席、、、えっと、それ達成することで発展途上国に行ったときに何か役に立つのか?

それに体調が悪いのにこの目標のために無理して講義に出席してたら本末転倒というものである。

健康管理に目標の重きを起きたいなら、私のように“風邪を引かない”を目標にしたら事足りる。

目標管理の意義

自分の目標なんだから何設定したって自分の勝手じゃないか、という意見もあろうかと思う。

でもそもそもこの目標管理の一つの意義として、これから現地で活動をするにあたり、自分に対してだけでなく、一緒に活動する職場の人たち、あるいは地域の住民たちと一緒になって目標を共有する場面を想定する必要がある

だからこそ、よく考えて上手に目標設定、管理するのが望ましい。

けん玉猛練習の日々とその成果

KTCスタッフ
けん玉と折り紙か、なるほど、なかなか面白い目標だね~

オチョ
はい、グアテマラに行ってからも使えるスキルだと思っています

KTCスタッフ
なるほどね、じゃあ70日間もあるから、もし亀くらできるようになるよね

オチョ
・・・は、はい!

もし亀
所定の動作(主に皿に乗せる)を繰り返し、持続時間や回数を競う技。糸の無いけん玉の使用も認められている(公式の競技会や級段位の認定では糸のないけん玉を使わなければならない)。名前の由来は童謡『うさぎとかめ』の歌い出しから。この童謡を歌いながらリズムよく遊ぶ。

Wikipediaより

こうして私のけん玉猛練習の日々は始まった。

正直、折り紙は達成できる自信があったし、実際、鶴なんかは折れる人に教わればすぐに折れるようになった。

問題はけん玉のほうである。

一番大きな皿に5回中1回乗せられるかどうかの私がもし亀など出来るようになるのだろうか。

訓練の隙間時間を使って、何度も何度もトライする日々。

因みにKTCには“歩きスマホ禁止”というルールがあったが、“歩きけん玉禁止”というルールはなかったので、周りに人が居ないことを注意した上で歩きけん玉をする分には誰からも咎められることはなかった。

(寧ろ、お、けん玉、いいね~、という感じで受け入れられた)

やっといて自分で言うのもなんだが、歩きスマホよりもよっぽど歩きけん玉の方が危険だと思うけどなぁ。(日本人のルール感覚って・・・)

そして定期的に行われる訓練所スタッフとの1対1の面談、普通はそこで真剣に話し合いをしたり悩み相談をしたりするその部屋に、私はけん玉を持って入室した。

KTCスタッフ
では、君自信が設定した目標の達成進捗を見せてもらおうか

オチョ
う、ういっす!

けん玉を構え、糸から伝わってくる重心に真剣を集中させる。

オチョ
もしもし亀よー亀さんよー

スタッフと私の2人しか居ない静かな部屋にカンカンと心地よい木の音色が響き渡る。

KTCスタッフ
よし、合格!

因みに私はKTCに来て3週間くらいでもし亀できるようになっていた。

もちろん、折り紙のほうも、鶴すら折れなかった私が、鶴のみならず、手裏剣、兜、花の4パターンを折れるようにまでなった。


(母の日にグアテマラのセニョーラにプレゼントした折り紙)

70日間とは、特技を1つ2つ増やすには十分な時間であった。

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