海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!は正しい?

海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!は正しい?

新入社員の語学レベルというのは年を追うごとに上がっていく一方です。

私の入社当時の英語力はTOEIC600点程度でしたが、それでも海外営業部に希望通り配属されました。

ところがその翌年以降は留学経験当たり前、帰国子女当たり前、海外大学卒業当たり前、TOEIC900点以上当たり前、更には英語以外にもう1言語しゃべれて当たり前・・・・・

といったように、私の肩身が狭くなっていくような語学ハイスペック新入社員を見かけることが珍しくなくなってきました。

この年に入社しなくてよかった~、なんて毎年思うほどです。

 

ところが、この新入社員の語学力向上に比例してもう一つ、あるものの数が増加しています。

それは、

 

外国語能力があるにも関わらず海外の仕事に携われない若者の数

 

です。

 

せっかく海外営業に憧れて、留学経験もあって、TOEICの点数も十分あるのに、国内の仕事にしか携わることができない若手社員の不満。

 

若手社員
こんなはずじゃなかった・・・

 

そんな不満を口に出すと上司から返ってくるのは、

 

怒れる上司
海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!

 

果たしてそれって本当に正しいことなのか?一部上場企業のメーカーで海外営業のキャリアを7年ほど持つ私の経験から解説します。

 

 

若手を国内営業にしか回さないのは海外の仕事がそもそも少ない

若手を国内営業にしか回さないのは海外の仕事がそもそも少ない

海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!

こんなセリフを上司や人事から聞いたら、まず疑うべきは、そもそもそんなに若手を回すほど海外の仕事が盛り上がっていないのではないか?ということ。

 

海外のプロジェクトをたくさん抱えていたら、若かろうが経験が浅かろうが、そんなこといっていられないくらい人員を欲しているはずです。

これだけ世間では国内の市場が縮小傾向といわれていて、人口もインフラ開発も海外のほうが伸びしろがあるのは明らかなのに若い人員を国内営業にばかり配置する会社はそもそも海外のプロジェクトを抱えていない、少なくとも伸ばすポテンシャルが低い可能性があります。

 

海外に進出しないといけない

と、頭では分かっていてもそれが実際の事業に結びついていないケースは少なくありません。

そういう会社は大赤字を出した海外プロジェクトであっても、広報ではそれを「当社の実績」として大々的に取り上げたりしています。

就職活動ではそれらの広報写真ばかりに目がいき、実際のその会社の海外売り上げ比率までは目がいかなかったり、そのプロジェクトが本当に会社に利益をもたらしたのかどうかは入社してみないとわからないので、入社前にはわかりにくいものです。

 

海外に進出しないといけない ⇒ だから海外人材を採用する ⇒ でも実際には海外には仕事がない・・・

そんな会社が、とりあえず若い人材を引き止めるために使う言い訳が

海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!

なのです。

 

 

海外にいっても国内営業と同じような仕事しかしていない

海外にいっても国内営業と同じような仕事しかしていない

海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!

が、嘘偽りない真実である場合もあります。

 

「海外営業」

 

と聞くと、海外を飛び回って外国人の取引先と英語での交渉、駆け引きを通じて最後は英文のぶ厚い契約書にシャシャシャっとサインして固い握手を交わす・・・

みたいなのを想像しているかもしれませんが、実態はそうとは限りません。

 

それは

 

海外営業 = 外国人のお客さんへの営業

 

ではなく、

 

海外営業 = 外国にいる日本人のお客さんへの営業

 

というケースが少なくないからです。

 

海外営業なのに実態は場所を海外に移しただけでやっていることは日本と一緒、日本人向けに日本語で営業、工場のトップも駐在事務所のトップも全員日本人、日本人のお客さんと一緒にゴルフで接待、日本食レストランで接待・・・

そのような会社の海外営業は契約書よりも忖度重視の仕事の進め方が求められますので、英文の契約書を読めない海外営業マンや駐在員なんてのもザラにいます。

 

海外営業に憧れる前に国内営業で経験を積め!

こんなセリフを聞いたら、仮にその会社で海外営業になっても自分が想像している海外営業とは別の世界が待っているのかもしれません。

 

 

海外駐在は日本にポストがなくなったおじさんの行き先

海外駐在は日本にポストがなくなったおじさんの行き先

海外営業に憧れる人には、将来的には海外に駐在したいと思っている人もたくさんいるでしょう。

しかし残念ながら、海外駐在の席は限られていて、運も味方してくれないとなかなかそのポストにはつけません。

しかも海外事業を本気で伸ばそうとしていない会社では、そんな海外の限られたポストが、日本にポストがなくなったおじさんたちの行き場所になっていたりします。

 

年齢的にも何かしらの重要なポジションについているべき立場の人でも、バブル全盛期に入社して同年代の人数が多すぎるせいで日本にポストがない人が溢れてしまっています。

そんな、ちょっと出世コースから外れてしまった、みたいな人たちが納得してくれる先として、手当が上乗せされる海外にポストを作るケースがあります。

え、あの人英語なんてしゃべれたっけ?みたいな人が突然海外駐在のポストをゲットしたりすることも珍しくありません。

 

私は運よく海外駐在員を経験したこともありますが、そこには駐在して1年以上たつのに英語もろくにしゃべれず、なんの仕事をしているのかもよくわからず毎日定時で帰宅するおじさんというのが一定数いました。

ただでさえコストがかかって席の数も限られている海外駐在員のポストをそんな理由で上の世代の人に回していたら、若い人にはなかなかチャンスが回ってきません。

若い人に海外駐在のチャンスを回してくれる会社かどうか、そんな人事体質から見極める必要もありそうです。

 

 

留学経験者や海外人材は根性がない?

海外人材は根性がないと思っている人たちへ

最近は転職することのハードルも下がってきて、特に日本国内でくすぶっている海外人材の離職率の高さは同じ若手の中でも群を抜いて高くなってきていると実感しています。

 

最近の若いやつは根性がない

 

せっかく育ててやってたのにまた他所へ

 

もうすこし我慢していたら海外の道もあったのに

 

若手の離職率の高さをこんな風になげく人たちは

 

おじさま
海外人材や留学経験者は根性がないから国内営業に耐え切れずにやめていくんだ

 

そう思っているのかもしれません。

 

あるとき人事に面談で呼び出されたことがあり、

 

おじさま
留学経験者とか海外志向が強い人は海外駐在になれないとすぐに辞めていっちゃうんだけど、なんでだと思う?

 

と聞かれました。

私は正直に、

 

オチョ
留学を経験したり外国語に自信がある人は多様な生き方を知っているからだと思います、この会社を辞めても別の生き方を選択するのが容易なんですよ

 

と応えました。

そのとき人事のおじさんが見せた、求めていた回答と違うんだけど・・・感たっぷりの顔といったらなかったですね。

 

もしかしたら、

「若者は根性がないんですよ」

って共感して欲しかったのかもしれないけど、私はそうは思いません。

終身雇用なんていう言葉が幻想となったいま、語学力も発揮できず、伸ばしたいスキルも伸ばせない会社で貴重な時間を無駄にすることはしたくない。

海外人材を本気で引き止めたい会社は、数少ない海外プロジェクトの写真を採用ページに多用して表面的に飾る前に、海外人材がその力を発揮できて成長を感じられるようなプロジェクトをたくさん抱えられるように会社自身が成長しないと未来はないかと思います。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

一部上場企業での海外営業、シンガポール駐在を経て、その後とある出来事をきっかけ気がついたらグアテマラでボランティアやってます。グアテマラの魅力、スペイン語学習方法を中心に発信中!