私は青年海外協力隊としてグアテマラへの派遣が決まったことをきっかけにスペイン語の勉強を始めました。
大学の第二外国語はフランス語選考だったため、それまでスペイン語を勉強したことはありません。
青年海外協力隊になると、ボランティアとして途上国に派遣される前に2ヶ月間の研修を受けることになります。
ボランティアたちはここで、今後2年間、海外で過ごす上で必要な語学力を身に付けるために、語学研修を受けることが出来ます。
これは、青年海外協力隊の特典といっても過言ではないでしょう。
毎年、何百人という若者を途上国に輩出するプロジェクトを何十年も継続してきた組織に選りすぐられた優秀な講師陣からノウハウの詰まった授業を無料で受けることが出来るのですから。
とはいえ、研修期間はたったの2ヶ月間、時間の限られたなかで学べるのは基礎文法を中心とした最低限必要な知識です。
そこからスペイン語力が伸びていくかどうかは研修後、つまり現地にいったあとにちゃんと独学で勉強を継続できるかどうかにかかっています。
そのことをしっかり理解しているJICA講師に教わった最強のスペイン語独学勉強方法こそが、私がこの研修の2ヶ月間に得た最も大きな財産だったと思います。
この記事では、私が派遣国であるグアテマラにきてから実践している独学勉強方法、「音読法」のやり方・コツについて書きたいと思います。
この「音読法」は基礎文法が終わっていない段階の学習者には推奨されていません。先ずは最低でも基礎文法書を1冊学習し終わって頭に入った状態から始めることをおすすめします。
基礎文法の学習についてはこちらの記事がおすすめです▼
Contents
スペイン語が独学で学べる「音読法」とは
それでは、その「音読法」とはどういったものか?
まず、基本のコンセプトにあるのは、
「語学はしゃべってナンボである」
ということです。
文法や単語を記憶することも大切ですが、スペイン語はあくまで言語である以上、最終的に口に出すことなしには成立しません。
「音読法」は文字通り、スペイン語の文章を音読して学習する方法です。
もちろん、音読をするわけですが、ぼそぼそと自分にだけ聞こえるような声で音読しても効果は半減です。
この「音読法」の効果を最大化するためには、
・声の大きさは普段の1.5倍で
・読むスピードはネイティブよりも早く
を意識してください。
そのため、カフェや図書館、大人数が集まる教室などではやりづらいかと思います。
朝起きてから学校や会社に行く前、もしくは帰ってきてから寝るまでの間、部屋に一人になったタイミングでやるのが1番声が出しやすくて望ましいかと思います。
「音読法」で勉強を始める前に準備するもの
分からない単語が3割くらい含まれたスペイン語の文章
を、準備してください。
どんな文章でもかまいません。
日本ではスペイン語で書かれた本や新聞を手に入れるのは困難ですが、インターネットでスペイン語のニュースをプリントしたり、自分が好きな・興味のある人物や場所のWikipediaスペイン語版を調べてプリントすれば簡単に手にはいります。
例:
・サッカーが好きなのでサッカーに関するニュースの記事
・スペインに旅行に行くので訪れる観光地の旅行情報が書かれたWikipedia
など
既にスペイン語圏にいる人は日本で読んだことある本のスペイン語版や、日々の出来事が載った新聞なんかがちょうどよいかと思います。
また、読む量も適宜調整しましょう。
最初から1ページ(1面)全て読むのはかなりしんどいかと思います。
1ページがしんどければ1段落からでも、キリがよくてまた次も読みたいと思えれば自由です。
「分からない単語が3割くらい含まれた」が調整する目安です。
最初からいきなり小説やビジネス書なんかを選んでしまうと内容が難しかったり、そもそもあまり面白くなかったりして飽きてしまう可能性があります。自分のレベルにあった、尚且つ興味のあるジャンルから選ぶのがコツです。
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スペイン語を「音読法」で勉強する実践(やり方・コツ)
読む文章が決まったら、ここからいよいよスペイン語「音読法」の実践です。
ここでは具値的なやり方や学習する上でのコツを説明していきます。
「音読法」ステップ1
先ずはあらかじめ選んだ文章をひたすら音読しましょう。
何度も何度も繰り返し、何十回でも何百回でも、
スラスラと読めるようになるまで音読してください
ココで絶対に守っていただきたいのは、
分からない単語があっても辞書を引かないこと!
「音読法」の目的はスラスラと音読することであり、その文章の意味を理解することではありません。
分からない単語にはチェックだけしておいて、一旦飛ばして、とにかく音読することに集中してください。
「音読法」ステップ2
ある程度スラスラ読めるようになったら、ステップ1でチェックを入れた単語を以下の2種類に分けてください
①重要と思われる単語
例:
・意味が分からないと文章全体の内容を把握するのに支障がありそう
・何度も繰り返し出てきて重要そうだ
・文章のなかでも「ここだけは知りたい」と自分から興味をもった
②どうでもいいと思われる単語
例:
・訳さなくても前後の流れで何となく意味が想像できる
・意味が分からなくても文章全体の意味を把握するのに支障がなさそう
・読んでいる文章のジャンル特有の専門用語で汎用性がなさそう
ここで上記の①に分類された単語の中から更に、「これだけは知りたい」と強く思う単語を5つだけ選んでください。
5つだけ
です。
「音読法」ステップ3
ステップ2で選んだスペイン語単語5つを辞書で調べて覚えましょう。
覚え方は人それぞれ、自分のやり方にあった方法でかまいません。
高校や大学の受験で頻出英単語帳を片手に一生懸命記憶したあの頃を思い出して。
私の場合はここで、覚える単語をノートに何度も何度も書いて最終的にはスペイン語の単語帳を作ってしまいます。
「音読法」ステップ4
単語を完璧に記憶できたらまたスペイン語の文章に戻って、音読を再スタートします。
5つの重要単語を覚えたことで、文章全体の内容がステップ1のときよりもイメージしやすくなっていることを実感してください。
スラスラ音読ができるようになったら、今日の分はおしまいです。
おつかれさまでした
スペイン語の独学は継続が命
え、もう終わり?
まだ意味を調べていない単語がたくさんあるけど?
文章の内容もぼんやりとしかつかめてないけど?
はい、終わりです!終わらせてください!
この学習法のゴールは、1日の間に
①1つの文章をスラスラ読めるまで音読すること
②新しい単語を5つ憶えること
であり、これ以上は必要ありません。
自分で選んだ5つ以外の単語の意味は調べないでください!
完ぺき主義の人はどうしても単語を一つ一つ調べて完璧に訳そうとしてしまいがちですが、それだと時間もかかりますし、疲れちゃいます。
時間をかけて完璧を目指すよりも、毎日続けることのほうがスペイン語を独学で勉強するには大切なことです
1日1時間の勉強よりも、毎日10分の勉強を目指しましょう。
そのためには学習のゴールを明確に決めて、それが達成したらスパッと終わらせる方が勉強の効率が上がります。
それでも・・・5つには入らなかったけど・・・あの単語の意味がどうしても気になる・・・
そんな勉強意欲の高い人はどうか安心してください。
もしそれが本当に大事な単語であれば「音読法」を毎日継続していれば必ずまた出会います。
そのときはすかさず重要単語の5つの中に選んであげてください。
スペイン語「音読法」実践のためのおすすめの本
以上が、私がグアテマラにきてから1年以上継続して実践しているスペイン語の独学勉強法の内容です。
グアテマラでこのスペイン語「音読法」を実践するために私が使っているのは、Escuela Para Todosという本です。
一言でいうと、『スペイン語版道徳の教科書』といった感じです。
おとぎ話から宇宙科学、ラテンアメリカの自然・文化、料理レシピまで、幅広いジャンルのショートストーリーがたくさん詰まった1冊です。
文章のレベルも量もちょうどよくて、グアテマラで手放せない1冊。
ニカラグアやパナマなど他の中米の国でも売られているのでもしこれらの国に訪れる機会がある人は探してみてください。
一方日本では、私も探してみましたが、なかなかスペイン語で書かれた本が手に入らないのが現状です。
そのなかでも、
手紙・メールのスペイン語 三修社
は他の学習書と比べてスペイン語で書かれた文章がページを占める割合が大きく、同時にメールや契約書など、日常生活でもビジネスでも使えるレター文章が学べるので、1冊持っておいて損はしません。
インターネット上にもスペイン語の文書はたくさんあるので、自分にあったものを見つけて実践してみてください。
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