初心者のスペイン語学習者が最初にぶち当たる難問、それがスペイン語動詞の活用ではないでしょうか?
実際、主語だけでなく時制(現在形、過去形、未来系など)によっても変化する活用、1つの動詞の変化形は126個もある、と私が持っている文法書には書いてあります。
1つの動詞に対して126種類の活用、126掛ける動詞の数・・・単純に数えたら恐しい数ですよね。
ということで、「スペイン語動詞の活用覚えるのが難しい」で悩んでいる人に日本語の難しさを再確認してみてはどうか?という提案です。
単純に比較することが目的なのではなく、その比較から、スペイン語動詞の活用を覚えるのに有効な勉強方法がおのずと見えてくるのではないか、ということです。
最後まで読んでいただけるとわかります。
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スペイン語と同じく日本語の動詞も活用する
日本語の動詞もスペイン語の動詞と同じように活用します。
例えば、思いついた日本の動詞を過去形に直そうとしてみると、
・する ⇒ した
・来る ⇒ 来た
・走る ⇒ 走った
・歩く ⇒ 歩いた
・読む ⇒ 読んだ
こんな感じで変化します。
しかもただ過去形にするにしても、「~した」と変化したり「~った」と変化したり「~いた」と変化したり「~んだ」と変化したり・・・動詞によって活用のしかたにも違いがあることがわかります。(ちなみに厳密には日本語文法には「過去形」という活用形はないそうです)
また、他にも、
・読もう
・読まなければいけない
・読みたい
など、スペイン語だったら
Vamos a + 不定詞
Tener que + 不定詞
Querer + 不定詞
など、不定詞(動詞の原型)で表せる表現まで活用しなければならなかったり、
・しない
・来ない
・走らない
など、スペイン語なら“no”をつけるだけの否定形にも活用があったりします。
動詞が活用するのはスペイン語だけではなく、普段私達が自然に使っている日本語の動詞も実は活用している
という意識を頭の片隅に入れておくだけでスペイン語動詞の活用を覚えることのハードルがちょっぴり低く感じられるのではないかと思います。
スペイン語と違って日本語は主語そのもののパターンが多い
確かに日本語は、
・私は走る
・あなたは走る
・彼は走る
・・・・・といったように、主語によって活用が変化することはありません。
スペイン語の場合、主語は
1人称 = Yo
2人称 = Tú
彼 = Él
彼女 = Ella
など、決まったパターンしかありません。
日本語は1人称の主語を表す言葉だけでいくつあるのでしょう?
わたし、おれ、ぼく、わい、わし、わて、おら、じぶん、うち、せっしゃ、おいどん、わがはい・・・
2人称は?
きみ、あなた、おまえ、おたく、あんた、てめー、きさま、おのれ、おんどれ・・・
・・・・・普段意識しないけど、あらためて考えてみるときりがないですよね。
挙げだしたらきりがないほどいく通りもある主語のパターンを、年齢や地域性や立場などによって自然と使い分けられるようになっているあなたが、
数パターンしかないスペイン語の主語の活用変化を覚えるのなんて、
本当に難しいことなのでしょうか?
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スペイン語にはない日本語の超難問な活用、それが敬語
さらにスペイン語になくて日本語にある超難問、それが敬語です。
敬語のことをスペイン語文法的にいうなら、話す相手の立場や相手と自分との関係性によって動詞の活用が変化する、ということです。(こちらも厳密には日本語文法的に敬語は活用とはいわないそうです)
しかも敬語には「尊敬語」と「謙譲語」と「丁寧語」の3種類がある、って小学校のとき習いましたよね。
尊敬語:動作の主体である目上の人に敬意を表す言い方
謙譲語:動作の主体をへりくだって相対的に受け手に敬意を表す言い方
丁寧語:その名の通り丁寧な言い方
「よくご存知ですね~」とか、
「それでは10時に伺います」とか、
「確認いたします、少々お待ちください」とか、
冷静に考えるとすごいですよね、よくこんなに使い分けられるよな~、と。
ここまでいったらもう、日本語の動詞の活用がいかに複雑かをこれ以上説明するのは不要かと思います。
ていうか、これ以上は私も日本語の文法知識が追いつかない・・・
大事なのは活用を意識しなくても口から出てくるようにする勉強方法
さて、ここまでスペイン語と日本語の比較して論じてきたのは、別に日本語の難しさを強調することが目的ではありません。
大事なのは、
「あなたは普段、日本語の動詞の活用を意識して使っていますか?」
ということ。
おそらく多くの人は、意識なんかしなくても口から出てくるし、そもそもこの記事を読むまで「日本語の動詞の活用」なんて意識したことすらないのではないでしょうか?(謝罪文などのおかた~い手紙を書く場合などを除いてね)
なぜ日本語の場合は意識していなくてもすらすらと活用を使い分けられているのか?
それは活用を記憶しているのではなく、身体に(口に)馴染ませているからです。
ならばスペイン語の動詞の活用でも同じことを意識して勉強してみませんか?
例えばSer動詞の活用を
soy eres es somos son・・・と、5つの活用パターンを記憶しようとするのではなく、
と、口を動かして主語と動詞をセットで声に出しながら覚えます。
そうやって何度も何度も声に出して身体(口)に馴染ませると、Yo が出てきたら soyしか出なくなってきます。
「身体(口)に馴染ませること」を目標に私がスペイン語学習の初期に毎日毎日繰り返した勉強方法がこちら▼
これを繰り返していくと、逆に例えば間違ってYo のあとに es と言ってしまうと、気持ち悪くて身体がむずむずしてくるかと思います。
動詞の活用を身体(口)に馴染ませる、というのはそんなふうに身体が拒否反応を起こすレベルまでもっていくということです。
最後にもう一度、
スペイン語動詞の活用が難しくて悩んでいる人は、覚えようとするのではなく身体(口)に馴染ませるように繰り返し声に出して練習する方法をおすすめします。