みなさんはどう思いますか?
少なくとも私の例でいうと、大学受験のときに英単語をたくさん覚えてセンター試験では9割以上をマークしましたが、大学に入って早々に受けたTOEICは400点くらい。おまけにその数年後に意を決して実行したイギリス渡航では初日から一切英語が通じなくてボロボロの珍道中でした。
初海外渡航で英語が通じなかった苦い思い出▼
と、いうわけでこの記事では英語や他の外国語を習得するうえで記憶力よりも大事な予測力について書きたいと思います。
また、記事の後半、その予測力を鍛える勉強法についても紹介します。
Contents
外国語・語学習得に必要な予測力を簡単に説明
予測力とはなにか?それは、
意味がわからない単語が出てきてもその前後の文脈や読んでいる(聞いている)文章の内容からその意味を予測する力
のことです。
語学の習得が早いひとと遅いひととの決定的な違いがこの予測力といっても過言ではないかもしれません。
予測なんて普段しない、本当にそうでしょうか?
例えば普段使っている言葉、「まじ、ヤバイ」
「やばい」の辞書的な意味は“危険や悪いことが起こりそうな状態。あぶない”
ですが、なにも本当の危機が迫った状況につかわれるだけでなく、単に驚きを表したり、「スゴい」という賞賛を表したり、時には美味しいという意味を表したりします。
私達は普段、それらを前後の文脈や声のトーン、表情などといった要素からどういう意味で使われているかを予測して解釈しています。
日本語でこのように自然にできることを、外国語のときもやればいい、ということなのです。別に難しいことではありません。
はい、それが予測力!
外国語の予測力がなかなか身に付かない背景
真面目で完ぺき主義な人ほど、わからない単語に出会うたびに辞書をついつい引いてしまいがちですが、外国語の習得において文章を端から端まで翻訳する、といった作業ほど非効率で効果が低い勉強法はありません。
でも日本語で自然にやっている「予測」がどうして、ひとたび外国語になるとできなくなるのか?
その背景には学校で学ぶ英語があるかと思います。
学校ではテストで
・この英文を日本語に訳しなさい
・この日本語を英文に訳しなさい
といった問題を解いて、意味を正確に訳さないと得点がもらえないという環境で学ぶので、どうしても翻訳(記憶)に重きを置きがちになってしまいます。
義務教育で6年以上も英語を学んだのにいざ海外にいっても全然しゃべれない、なんて話をよく聞きますが、この翻訳に重きを置いた教育が要因の一つではないか、と思います。
言語とは本来、自分の意思や希望を伝えるためのツールに過ぎないはず。
ツールであるはずの言語に完璧を求めて実践が伴わないというのは、刀を磨いてばかりいて一度もふったことのないお侍さんみたいなものではないでしょうか。
そういう意味では予測力というのはある意味、失敗を恐れないこと、恥をかくことについて鈍感になる力、とも言い換えることができるのかもしれません、
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外国語の予測力を鍛えることによって得られるメリット
そんな外国語学習に欠かせない予測力を鍛えることによって具体的のどのようなメリットがあるのでしょうか?
予測力のメリット1 翻訳作業からの脱却
先ずは義務教育で植えつけられた翻訳作業からの脱却です。
完璧じゃなくても意味さえ伝われば結果オーライ
という、外国語に対して楽観的な視点を身に付けること。
もちろん最初は全然予測ができなかったり、予測がまったく外れて恥かいた、なんてこともあるかもしれません。
でも間違っていたら、そこで修正して、次にまた同じ結果にならないようにすればいいだけ。
言葉はツールでありテストじゃないんです。
恥をかいたって最終的に意味さえ伝われば全然大した問題じゃありません。
翻訳作業から脱却したら少なくとも、外国語の勉強が何十倍も楽しくなると思います。
予測力のメリット2 時間短縮して外国語の文書(会話)の意味を把握
翻訳から脱却することによって、例えば文章を読みながら分からない単語に直面しても、辞書を引かずに予測することに慣れてきます。
この単語は何となくこういう意味だと思う・・・
この単語はおそらく医療関係の専門用語だろう・・・
この単語は予測が難しいけど文章全体でみたらあまり重要ではなさそうだ・・・
と、一つ一つにある程度の「あたり」をつけながら、辞書を引かずに最後まで読み通すことができます。
そうすると当然、一つ一つ辞書を引きながら読むよりは圧倒的にスピードが上がります。
村上春樹さんのファンが新刊を隅から隅まで読んでファン同士で細部の表現についてまで議論し合う、みたいなことなら話は別ですが、外国語の学習でそんな細部まで読み込む必要なんてありません。
そこまで熱を入れる文章でなければ、とにかく文章の概要(誰がどこでなにした、誰に対して何を伝えたい物語か、などなど)だけでもつかめたらオッケー、という楽観的な気持ちで読みましょう。
予測力のメリット3 外国語習得の効率が飛躍的に上がる
これが最も重要です。
上述したように「分からない単語」も一括りにせずに一つ一つ「あたり」をつけながら読むことが習慣づいてくると徐々に、
・この単語は文章を把握する上で重要そうだ
・この単語は今後も頻繁に出てきそうだ
・この単語の意味さえわかれば物語の重要な部分がわかるのに
という単語に出くわすようになります。
そんな単語に出くわしたら、そこではじめて辞書で調べて、何度も書いたり口に出して読んだりして徹底的に記憶しましょう。
そうやって単語の重要度や頻出度によって学習時間や熱量にメリハリをつけることで、学習の効率が飛躍的に上がります。
語学で最強の予測力を身に付ける勉強方法は音読
日本語も、実は普段私たちが日常会話で使っている単語の数ってそんなに多くないんです。
予測力を鍛えて学習の効率を上げれば、いわゆる中級レベルといわれるくらいまでの語学力まで最短でたどり着くことができます。
そんな予測力を鍛えつつ単語力をアップさせ、尚且つ発音の練習もできる方法として、私が実践している勉強方法は「音読法」というやり方です。
私は現在、スペイン語の学習でこの勉強法を軸にして取り組んでいます▼
・辞書で引く単語は1日5つまで
・声に出して早口で音読
といったルールを守りつつ、話せるようになることを目標に「予測力」を鍛えつつ勉強することができます。
私の場合はスペイン語で実践しておりますが、英語や他の語学にも応用できるやり方だと思います。
ただでさえ外国語の習得は地道で長い時間のかかる作業です。せっかく取り組むなら効率的で正しいやりかたで学びたいものです。
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