旅行本にもよく出てくるグアテマラのチキンバス。派手な柄で迫力のある走りが特徴的だけど・・・
なんか危なそう・・・
私はグアテマラに住んで1年以上経ちましたが、チキンバスにほぼ毎日乗ってます。もちろん、これまで1度もモノを盗まれたりぼったくられたりなんてしたことありません。
そんなグアテマラ在住者の私がグアテマラのチキンバスの安全で正しい乗り方を解説します。
なお、チキンバスを含めたグアテマラ国内の移動手段については以下の記事にまとめてあるのでそちらもご参考ください▼
Contents
グアテマラ国民の足、チキンバス(カミオネタ)とは
あの・・・先ず最初にひとつ言わせてください・・・
グアテマラではチキンバスという呼び方はしません!
正しくはカミオネタといいます。
日本ではチキンバスとして有名なのでこの記事では便宜上「チキンバス」に統一しますが、現地でチキンバスと呼んでいる人は、それこそ外国人旅行者くらいです。更にいうと、バスはスペイン語でブスと発音するので、せめてチキンブスといわないと通じません。
そんなカミオ・・・失礼、チキンバスはグアテマラ国内の主要都市ほぼ全てを結んでいます。まさに国民の足としてグアテマラの社会、インフラを支えています。
運賃は高くても30ケツァール程度(日本円で500円くらい)。短い距離なら10ケツァールしません。
例えば私がよく利用する、トトニカパンとケツァルテナンゴ(距離にしておよそ20km)のチキンバスは片道6ケツァールです。
このリーズナブルな料金設定も、チキンバスがローカルバスとして国民に広く利用されている理由なのでしょう。
ローカルの雰囲気たっぷりチキンバス(カミオネタ)の正しい乗り方
まずは行き先をしっかり確認しましょう!
チキンバスの正面に回ってみてください。バスのおでこのところに行き先がバーンと出ていることが多い(たまに電光掲示板でしばらく待たないと行き先が表示されないこともありますが)ので、これではっきり確認できます。
またチキンバスにはアジュダンテ(スペイン語でアシスタントの意味)と呼ばれる人がいます。
アジュダンテは
客の誘導
お金の集金
荷物運びまで
チキンバスまわりの仕事を何でもこなします。カーブの多い道でもびくともしない強靭な足腰を持ち、バスが走っている途中に飛び乗ったり、重い荷物を持ちながら屋根によじ登ったり、なかなかのハードワークをこなす働き者なのです。
チキンバスのターミナルでは客引きのアジュダンテがバスの目的地を大声で叫んでいるので、それを頼りに目的のバスを見つけることも可能です。目的地の嘘をついて無理やり乗せようとするアジュダンテには出会ったことがありません。
余談ですが・・・目的地を叫ぶアジュダンテの声はちょっと鼻にかかったような特徴的な声の人が多いんですよね。グアテマラの男子学生同士でその声真似をしてケラケラ笑っているのを見たことがあります。
あれですね・・・なんだか・・・電車の車掌の車内アナウンスを真似る日本の光景に近いものがあるなぁ・・・なんて思いました!
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チキンバス(カミオネタ)に乗ったらどうする?バスの中はこんな感じ
車内はこんな感じで、時間帯にもよりますが大体いつも人がいっぱいです。
混んでいるときは座席だけではなく、椅子から通路側にお尻を半分ずつはみ出して隣の人と支えあうように座ったりもします。更に混んでいるときは通路に立った状態の人もいます。グアテマラにはあまり満席という概念はないようです。
また、車内はラテンアメリカの陽気な音楽が大音量で流れていることが多く、ローカルな雰囲気に包まれています。
さて、気になる運賃の支払いですが、そのバスの中で先ほどのアジュダンテが座席をひとつずつ回って、一人ひとり運賃を回収します。
値段が分からない場合は、
と聞けば教えてくれます。ぼったくりが怖い場合は乗る前にアジュダンテに聞くか、回りのお客さんに聞くなどするとよいかと思います。
初めて乗るチキンバスで運賃が分からないときに私がよくやるのは、適当な金額(ちょっと少なめ)を知ったかぶりして出してアジュダンテの反応をみる、というものです。私のグアテマラライフハック!
その他にチキンバスの車内で起こるイベントとしては、よく物売りに出くわします。
アメやフルーツを売る子供、トルティーヤやフライドチキンを売るおばさん、聖書を大きな声で読み上げる牧師さん、腕がないおじさん、などなど。
別に押し売りしてくるわけではないので、要らなければスルーすれば問題ありません。
チキンバス(カミオネタ)に乗る上での諸注意事項
さて、とはいってもここはグアテマラ。日本の公共交通機関と比較したらまだまだ治安は悪いです。ここからはいくつかチキンバスに乗る上での注意事項をご紹介します。私自身、グアテマラで生活して1年以上経った今でも犯罪に巻き込まれないよう常に注意しています。たまに居眠りしちゃいますけど・・・
お金は細かくくずしておく!
上述したようにカミオネタの運賃はだいたい高くても30ケツァールくらいと、とても安いです。なのでできるだけ細かいお金を用意してから乗車するようにしましょう。間違っても100ケツァール札しかない、なんて状況のないように!
ちなみにアジュダンテは大きいお金で払ってくるお客さんをみるととても嫌そうな顔をします。また、アジュダンテがおつりを持っていない場合、他のお客さんの集金を優先しておつりの対応は後回しにされます。
おつりの貰い忘れを防ぐという意味でも、できるだけちょうどぴったりで出すとよいです。
アジュダンテとよくコミュニケーションとる!
終点まで行かずに途中下車する場合などはアジュダンテとしっかりコミュニケーションをとり、降りたい位置を伝え、その位置が近づいたら声をかけてもらうようにしましょう。
アジュダンテが「ピーーー」と、サッカーのホイッスルのような口笛を吹いて運転手に降りる旨を伝えてくれます。
働き者のアジュダンテを味方につけるとカミオネタ旅は一気に楽になります!
酔い止めクスリを飲んでおく!
長い距離を移動する人はあらかじめ酔い止め薬を飲んでおくことをおすすめします。
グアテマラは山道が多いのでカーブが多いです。また、チキンバスはかなりスピードを出すので、日本であまり酔った経験のない人でも酔うことがあります。
スリには常に警戒し注意を怠らない!
カミオネタは混雑することが多いので、隣り合わせになった他のお客さんとの距離も近いです。こんなときはスリの警戒はマックスにしておきましょう。
なかにはカバンが切って中身が取られるといった犯罪も発生すると聞きます。
貴重品はウエストポーチにいれて胸の前に抱える、リュックは前に抱えるなど、途上国でするべき防犯対策をしっかりとることが大切です。ポケットに財布やケータイを入れるなんて論外です!
首都のグアテマラシティではチキンバスに乗らない!
チキンバスは首都では乗ってはいけません!
マラスという、犯罪組織のターゲットにされ、強盗や襲撃される事件が発生しやすいからです。
首都以外のアンティグアやシェラといった観光地を拠点に周りの町を訪れる際に利用しましょう。
グアテマラの治安、注意事項についてまとめた記事はこちらも参考にしてください▼
グアテマラ国内でのチキンバス利用のすすめ
以上の手順を理解し、注意事項を守れば日本からのグアテマラ旅行者でも比較的安全に、そして思ったよりずっと簡単にチキンバスを利用することが可能です。
チキンバスに乗れさえすれば、グアテマラ国内の移動の選択肢が増え、よりフレキシブルに動けるようになります。
アジア人は珍しいのでバスの中では興味をもたれることもありますが、普通にしていれば敵意を持たれるようなことありません。
もちろん警戒を十分にした上で、バスの車内で隣の人と会話してみたり、子供と遊んでみたり、慣れるとそんな些細なローカルコミュニケーションをとることもできます。
そんなグアテマラローカルの雰囲気も楽しめるチキンバスお役立ち情報でした。
定番から穴場まで、グアテマラ旅行・観光情報はこちらの記事にまとめています▼