温泉にタトゥーをした外国人が入れない問題について思うこと

温泉にタトゥーをした外国人が入れない問題について思うこと




刺青・タトゥー・お断り!

温泉施設に行くとこのような看板を目にします。

実際にタトゥーをした外国人観光客が知らずに入浴しようしたところ温泉側から拒否された、なんてことがニュースになったこともありました。

このようなニュースが流れると、

 

利用客
いまどきタトゥーを理由に入場を拒否するなんて時代錯誤だ!

 

利用客
海外にはタトゥーが文化として根付いている国もあるというのに!

 

利用客
若者や外国人にとってはタトゥーはファッションの一部なのよ!

 

といった批判が必ずといっていいほど飛んできますが、両者の溝はなかなか埋まりません。

この「温泉にタトゥーをした外国人が入れない問題」について、思うことを書きます。

「若者文化が・・・」とか、「人権侵害・・・」とかいった世代間の論争にしたり、感情論をぶつけても何の解決にもなりません。

私は身体にタトゥーを彫ることが文化として根付いている南太平洋の島国出身の友達と温泉に入ったこともありますし、一方でアチラの世界の方々とばったりご一緒した経験もあります。

それらの経験を踏まえ、合理的にこの問題を解決するためにどうすべきか、を真剣に考えたいものです。

 

温泉で刺青(タトゥー)の人に遭遇して怖かった経験

温泉で刺青(タトゥー)の人に遭遇して怖かった経験

温泉タトゥーお断りについて反対する意見の中に、

 

利用客
タトゥーなんていまどきファッションなんだから隠す必要もなく堂々と入れるようにすべきだ

 

という人がいますが、私はタトゥーを禁止したいという温泉施設側にも正当性があると思っています。

なぜなら私は、タトゥーをファッションではなく別の意味で彫っている本業の方々に温泉施設でばったり遭遇してしまったことがあるからです。

はっきりいって、めちゃくちゃ怖かったです!

だって、映画のアウトレイジで見たような背中の方々が目の前にいらっしゃるんですよ?

私だけでなく、他のお客さんも怖がっているようでした。

みんな見ない振りしてチラチラそのグループのことを警戒し、そのグループが湯船にきたら他のみんなは洗い場に避難し、洗い場にきたら湯船に非難する、といった状態です。

 

やっぱりそういうことがあった温泉施設に、また行こうという気にはなれないですよね。

そうなったら温泉施設側としてもお客さんを失い、商売としてダメージを受けてしまいます。

こういったことから商売に影響が出ないように何かしら対策を講じる必要がある、という温泉施設側の主張には正当な理由があるのです。

ですので、「タトゥーはファッションだ」というマジョリティな正論で押し通すだけではこの問題は解決できない、ということを認識する必要があります。

 

外国人にとってタトゥーを隠すことは不快ではない

外国人にとってタトゥーを隠すことは不快ではない

一方で、こんな批判を聞いたことがあります。

 

利用客
タトゥーをアイデンティティのひとつとして彫っている人もいるし、タトゥーを彫ることが伝統として受け継がれている国もある。そういう人がこんなルールを見たら不快に違いない!

 

確かにタトゥーをアイデンティティのひとつとして重んじている人が世界にたくさんいます。

わかりやすい例でいいますと、2016年に公開されたディズニー映画『モアナと伝説の海』に出てくるマウイや、ラグビーニュージーランド代表のハカで有名なニュージーランド先住民の人たちなんかがそうですね。

でも、ひとつ誤解があります。

 

外国人の彼らにとっても別にタトゥーが歓迎されない状況そのものを不快に思ったり、アイデンティティを傷つけられたと思ったりはしません

 

なぜなら、彼らにとって日本は外国であり、外国である以上はその国のルールや慣習に従う必要があることをちゃんと理解しているからです。

たとえば、アンコールワットに入場する際、女性は肌の露出の少ない服装じゃないと入場できないというルールがありますが、別にそこで「ファッションの自由の侵害だ!」といって抗議する外国人はいないわけです。

話はそれましたが、私は実際にタトゥーを持つサモア人やフィジー人の友人と温泉に行ったことがあります。

 

オチョ
温泉ではタトゥー禁止だから入る前にシールで隠してね

 

友人
え?なんでタトゥー禁止なの?

 

オチョ
日本ではタトゥーしているとヤ○ザに間違われるからだよ!

 

友人
マジかよ!すげー!面白いなそれ!

 

と、こんな感じでむしろ日本のちょっとおかしな慣習を楽しむかのようにシールを貼っていました。

私はここにエンターテイメント性が入り込む余地があるように思えました。

 

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温泉シールはタトゥーを隠すためのものじゃない

温泉シールはタトゥーを隠すためのものじゃない

温泉施設側にも正当な理由はある、とはいえやっぱりタトゥーがある人は全員問答無用で入浴お断り、というのはさすがにやりすぎだし時代錯誤的といわれても仕方ありません。

そこで最近の傾向として、タトゥーの上からシールを張れば入浴を許可する、という試みをしている温泉施設が増えてきたようです。

これはとてもいいアイデアです。

でも、その多くは「タトゥーが少しでもシールからはみ出ていたらダメ!」と、いまだに厳しいものが多いのが現状。

私はここで、

 

温泉施設でシールを張る目的はタトゥーを隠すことではなく本業の方が入ってこなくするためだ

 

と、発想を転換する必要があると考えます。

そう考えると、タトゥーをすべて隠す必要はなくなります。

その代わり、本業の方がぜったにに自身の刺青の上から張らないようなシールのデザインを考える必要があります。

たとえば、

 

  • カラフルなかわいい色使いのシール
  • アニメキャラクターが描かれたシール
  • I’m not YAKUZA(私はヤ○ザではありません)とプリントされたシール

 

こんな感じです。

こんな風にかわいくてユーモラスなシールをタトゥーに貼ることを条件にすれば、本業の方はきっと来ませんよね?

そうしたら伝統的に全身にタトゥーがある外国人でも、気軽にシールを一枚貼るだけで入ることができます。

そして、シールそのものにエンターテイメント性があれば、温泉に入るためではなく単純にお土産として買う人も出てくるでしょう。

そうしたら商売としてもよいことなので、みんながWin-Winになるのではないでしょうか?

 

外国人観光客にも素敵な温泉を楽しんで欲しい

外国人観光客にも素敵な温泉を楽しんで欲しい

上述したのは私が考えたほんのひとつのアイデアですので、これがいいかどうか、採用するべきかどうか、というのは重要ではありません。

重要なのは外国人観光客にも日本のすばらしい温泉を楽しんで欲しいというホスピタリティを持ち続け、そうするためには何が一番最適かを考え続けることです。

昔からのルールだから・・・

といって思考停止してしまうのが一番の問題です。

ラグビーワールドカップや東京オリンピックを迎えるにあたって「お・も・て・な・し」の本領が発揮できるかどうか、今後の観光業界に期待したいですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

一部上場企業での海外営業、シンガポール駐在を経て、いろいろあって気がついたらグアテマラでボランティア。30にして「レールから外れる」を経験した男の働き方観、離婚経験を含む生活観、そしてボランティアとして生活したグアテマラの魅力、スペイン語学習方法を中心に発信します。