これまでの人生で3度、留学、駐在、ボランティア、と、立場を変えて長期間の海外生活を経験しました。
海外生活をしていてよく耳にするのが、「海外で生活している日本人同士でつるむのってどうなの?」的な話。
せっかく海外にいるのに結局日本人とばかり一緒にいるのっておかしい?
いやいや、海外といえど言葉も文化も共有できる日本人とのつながりは大切?
みなさんはどう思いますか?
私はイギリス留学時代、極力日本人とつるまないように距離を置いて過ごしました。
一方で、ボランティアとしてグアテマラにいる間は割と日本人同士の付き合いを大切にしました。
間逆の立場をそれぞれ経験した上で、海外で日本人同士でつるむことのメリット・デメリットを考察してみたいと思います。
Contents
留学中に日本人と一緒にいたら英語が覚えられないじゃん
イギリスで語学留学をしていた私は、他の日本人と距離を置くことを選択しました。
理由は簡単、
英語を学ぶために留学しているのに日本人同士でつるんでいたら英語上達しないから
です。
はっきりいって当時の私は絶望的に英語が出来ませんでした。
初の海外渡航でいきなり道に迷ってホームステイ先になかなかたどり着けなかった、という苦い経験もしました。
そんな英語ダメダメ大学生の私が高いお金を払ってまで海外に来て日本人とつるんでいる場合じゃない!
英語しゃべれない状態で帰国したらお金を一部負担してくれた親に申し訳ない!
どうしても、せめて帰国して海外関連の職に就けるくらいまで英語を上達させたくて必死だった!
もともと、
海外にいっても日本人とばかりつるんで英語が全く上達しない留学生がたくさんいる
という噂も聞いていたので、最初から日本人を避けていました。
日本人と距離を置くメリット・デメリット
イギリスにはたくさんの日本人留学生がいたので、まず、日本人同士でつるめば寂しいとか孤独感とかを味わうことはありません。
留学初期から一気にたくさんの友達が作れて、みんなと楽しくわいわい遊べて、旅行もたくさんいけて、楽しい思い出がたくさんできる。
また、同じようにバカンス気分で留学に来ている外国人もたくさんいるので、彼らとも一緒にパーリーパーリーできる。
海外生活をエンジョイしたいという人には日本人同士でつるむことはオススメ。
但し、英語はあまり上達しないように思います。
日本人の中でも語学レベルに差があるので、集団でいると既に英語をしゃべれる人が常にしゃべる役になってしまい、しゃべれない人はいつまで経ってもしゃべれないままです。
実際、この留学の後に英語を使って海外でバリバリ働く、みたいな働き方を実現できた人はほとんどいません。
また、日本人同士つるむと非常にお金がかかります。
旅行するにしてもパーリーするにしてもそうですし、日本食レストランに行くにも、やはりそれなりの出費が不可欠です。
親からなるべく資金援助を受けたくなかった私は、周りの日本人と同じレベルで遊ぶことが予算的にも不可能でした。
そういう意味では、あまり留学生活をエンジョイできなかったのかも知れません。
ただ結果的に、留学を通して英語力も上達し、後に海外関係の仕事に就くこともできたのでこの選択は正しかったと思います。
また、みんなと旅行が出来なかった代わりにバックパック一人旅をすることができ、フツーの観光とは違った特別な体験や出会いもたくさんありました。
但し、当時同じタイミングでイギリスに行っていた日本人とは、今は誰一人として交流がなく、少し寂しい気持ちもあるのが正直なところです。
海外日本人ボランティア同士の交流や人間関係から得るもの
一方で、グアテマラでのボランティア生活では特に日本人との間に壁を作らず、一緒に旅行をしたり飲み会に行ったりと、イギリス時代とは比べ物にならないほど交流しています。
その理由としてまず第一に、学生時代と違って外国語の不安がなかったことが大きいです。
ボランティアとして派遣される前に日本でみっちりスペイン語を学べたし、元々英語を話せることから外国人とのコミュニケーションにも慣れていたのでそこに不便を感じることはありませんでした。
また、途上国で日本人の数が少ないからこそ、日本人コミュニティとの関係やそこでの出会いは貴重です。
特に同じボランティアとしてその国に派遣されている人同士の交流は、情報交換という意味でも有用に感じています。
また、社会人を経験してからのボランティア派遣なので、経済的な余裕があることも心理的な負担を軽減させる要因になったことでしょう。
日本人同士でつるむメリット・デメリット
やはり精神的な安心感というか生活における幸福度は高いように思います。
言葉も文化も通じる相手といる時間を「楽」と感じてしまうのは悔しいけど、まだまだ国際人として未熟ということなのでしょう。
ただ、途上国での生活や現地での活動に早い段階で慣れるうえで、日本人同士の交流は役に立つ情報の宝庫であると感じました。
どこで日本料理の食材を買える?
どこのレストランが美味しい?
危険な場所や取るべきでない交通手段は?
特に途上国においてはこのような「食」に関してや、治安情報については日本人同士での情報交換は役に立ちます。
一方で日本人とばかり一緒にいると語学に限らず、現地の人々の生活に向き合うこと、現地の人々と同じ目線で活動すること、といった目的意識が薄れてしまうというのも事実です。
飲み会を終えた後に生産性のないことに時間とお金を浪費してしまったことを後悔することも少なくありません。
また数が少ない分、日本人コミュニティがとても狭く、人間関係に窮屈さを感じることもあります。
人間なのでどうしても、そりが合わない人というのが一定数います。
そのような人とは極力接点を持たないようにし、無理やり一緒にいるくらいなら一人でいる方がマシ、くらいの心構えがちょうどよいかと。
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海外で日本人同士でつるむことについて考察まとめ
海外で日本人同士つるむべきか否か、
いろいろと考察した結果
正直、どちらでもよい!
という結論に至りました。
どちらがいいとか悪いとかいうことではありません。
・語学は十分か?
・経済的な余裕はあるか?
・精神的な余裕はあるか?
・必要な情報が得られるか?
・目的は達成できるか?
このような点を軸に双方のメリット・デメリットを正しく理解したうえで、「自分に今必要なのは何か」を意識しながら適宜ポジショニングをしていけばよいかと思います。
また、大事なのはこれは各個人の「選択」の問題に過ぎない、ということです。
「自分がしなかった選択をした人」に対して敵対心を抱いたりしてはいけません。
あいつは日本人同士の付き合いが悪いからハブこう!
日本人とばかりいるやるらは弱虫だからほっておこう!
などとけなさず、各々の「選択」を尊重すること。
そしていざ相手が困っていたら、「その国に住む同じ日本人」として、有益と思われる情報については出し惜しみせずに共有し、お互い助け合うこと。
イギリス留学時代、日本人となるべく距離を置いていた私も、何度も日本人に助けてもらいました。
海外の日本人コミュニティはとても狭い世界なので、対立関係としてみることなく、「違い」として多様性を受け入れる姿勢がとても大事なことになってきます。
おまけ シンガポール駐在員当時代の日本人との関係
私はこのとき、一切他の日本人と関わりませんでした。
理由は簡単。
アホみたいに仕事が忙しくてそれどころじゃなかった!
このときは朝から深夜まで働いて、土日もどっちか働いて、夜は寝るためだけに家に帰るというくっそハードな生活でした・・・
結論:選択の余地があるってすばらしい!
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