海外ボランティアしてみたい!
でも、会社は辞めたくない
可能なら貰っている給料も手放したくない!
そんなわがままな要求をかなえてくれる、JICAがかつて推奨していた青年海外協力隊の現職参加制度
この制度の恩恵を享受した人間として、そのその魅力をお伝えいたします。
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2018年現在、残念ながらJICA予算の縮小に伴って、人件費補てん制度については抜本的な見直しを余儀なくされてしまいました。一部教員などについては引き続き人件費が補てんされるようですが、不確かです。詳しくはJICAのホームページ等でご確認ください。
青年海外協力隊の現職参加とは何か?
先ず現職参加が何かについては、JICAホームページで以下のように確認することができます。
現職参加とは
現在職業を持っている方の場合、休職などの形で所属先に身分を残したまま参加することは、帰国後の就職のことを考えても望ましいことといえます。
JICAでは、企業や官庁など関係各方面に対して、所属先に身分を残したまま参加する「現職参加」促進のお願いをしており、「働く人の所属先推薦制度」や「派遣期間選択制度」、「人件費補てん制度」等、より現職参加しやすくするための制度をもうけています。現職参加を希望する方は、応募することについてあらかじめ所属先の上司などに相談されることを強くお勧めします。JICAホームページより引用
実際、現職参加を促進するための部署が存在するなど、職場に在籍しながらの海外ボランティア派遣に力を入れているようです。
休職制度を持たない会社については、JICAの担当者が企業に足を運んで制度を構築するよう企業側と直接交渉に当たってくれる場合もあります。
現職参加が認められる条件や処遇については各所属先の処遇制度によりますが、私が人件費補てん制度を使って派遣されていたときは、給料の80%をJICAが負担して払ってくれていました。
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現在でも、社会保障費など一部の費用をJICAが負担してくれるようです。(詳しくはJICAホームページ等をご確認ください)
つまり企業側としては、金銭的な負担なく社員を有給休職で青年海外協力隊に参加させることができるのがポイントです。
現職参加制度のメリット
この現職参加制度にはボランティア、企業、そしてJICA側にそれぞれ以下のようなメリットがあります。
ボランティアのメリット
- ボランティア参加中にも給与を貰うことができ、通常のボランティアよりも多くのお金を貰うことができる
- 日本で給料をもらいながら、現地では別途、現地生活費を通常のボランティアと同額をもらえるので、実質、貰った給料は全て貯金できる⇒帰国後にめっちゃお金たまる
- 年金は健康保険はそのまま加入して給与から天引きされるので、退職して参加するよりも金銭的、手続き的な負担が軽減される
- ボランティア活動後の再就職の不安がなくなる
企業のメリット
- 人材の流出(退職)を防ぐことができる
- 社員をボランティアとして派遣し、帰国後にグローバル人材としての活躍を期待できる
- 企業のCSR、社会貢献イメージを向上させることができる
JICAのメリット
- 社会人経験者のボランティア候補者を確保しやすくなる(現地側の要請に社会人・現場経験年数を指定してくるものがある)
- 応募者の数を確保することができる
- 帰国者の再就職支援が必要なくなる
立場によって色々ありますが、まあなんといっても給料もらいながら海外ボランティアできるのはボランティアにとってこれ以上ないメリットです。
未だに、ボランティアは薄給で清貧であるべき、なんてイメージを持っている人もいるようですが、「お金が大切」という事実から目を背けることはできません。
それに「社会企業家」という言葉にも代表されるように、いまどきはビジネスセンスがないと本当の意味で国際協力なんてできない時代です。
自身の金融ポートフォリオを改善する手段として、現職参加は十分アリな選択肢であると個人的には思います。
具体的にいくら貰っていたかというと・・・う~ん、さすがに正確な数字はいえませんが、まあ、普通のボランティアが貰う額の3倍以上はいってます。(ここだけの話で!)
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現職参加は元の企業に戻らなければいけない?
実際、現職参加制度を利用して青年海外協力隊に参加してみると、同じく現職参加制度を利用している人が意外と少ないことに驚きました。
「もう会社に戻る気はない」という強い決別の気持ちをもって退職しているひとがほとんどでしたが、「そもそも現職参加制度なんてものの存在を知らなかった」なんていう人もいました。
ただ必ずしも「現職参加制度を利用して青年海外協力隊に参加すること」と「ボランティア活動後に復職すること」はイコールではありません
会社がいつ潰れるかわからない昨今、「復職することを義務付ける」ことなんて誰にもできませんよね。
私の意見については以下のようにまとめました▼
もちろん、現職参加して帰国後すぐに退職したらJICAからの印象は悪くなるのでそこは覚悟しなければなりません。
まあ、その場合のデメリットといえば、JICA関連の仕事に再就職できないことくらいかと思いますが。
ちなみに私はJICAからの評価とか一切気にしていなかったので、帰国後すぐに退職しました。
いずれにしても、制度の内容、会社から示された条件をよく読んで、企業の権利と自身の労働者の権利をよく理解したうえで利用するかどうかを判断しましょう。
現職参加制度を認めない企業とは
私の知っている参加者の中には、「現職参加制度を利用しての参加を希望したが会社に許してもらえず、仕方なく退職してきた」という人もいました。
企業にとって、2年間の期限付きとはいえ、人材が流出することを避けたいというのはもちろん理解できないわけではありません。
でも金銭的な負担が発生しないのにもかかわらず、青年海外協力隊という、日本国政府の後ろ盾のある社会貢献事業へ社員の参加を認めない理由、とはなんだろうか?
私はこのように考えます。
- 仕事そっちのけで海外でボランティアしている人間の存在がそもそも面白くないケツの穴が小さい
- 現職参加を一度認めてしまうと、次から次へ希望者が出てくるのが怖いビビリ
- ボランティア派遣した社員が復職してくれる自信がないくらい魅力がない
上記のいずれか、もしくは全てに該当する可能性が大いにある企業、といえるのではないでしょうか。
どの企業も企業も自身のイメージを上げようと躍起になって、ホームページには
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なんて耳あたりのいい耳当たりのいい言葉が並んでいますが、そんな誰でもいえる言葉を並べているよりも、「ボランティア休職を認めているかどうか、認めた実績はあるか」はその企業の資質を見極めるうえで重要なポイントになるのかと思います。
口コミサイトなどで企業のメッキがはがれやすい時代です。
ボランティア休職の実績も一つの参考にしてみてはいかがでしょう。
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