青年海外協力隊コミュニティ開発合格まで(後編)




青年海外協力隊になる

そう思うきっかけや、そのためにする対策は十人十色、人それぞれでしょう。

絶対に選考試験に合格するノウハウというものがあるのかどうか、私には分かりません。

ただ、Aさんの場合はどうだった、Bさんの場合はどうだった、という事例を知っておくことは、試験の傾向と対策をつかむ上でとても有益な情報であることには変わらないでしょう。

そんな一例として、この記事では一部上場企業で海外駐在員をしていた私が会社と決別し、青年海外協力隊員の選考試験に合格するまでのいきさつを書くことにします。

 

前編からの続きです。前編はコチラ▼

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後編は書類審査(一次試験)合格から二次試験合格~会社休職に至るまでです。

 

青年海外協力隊の試験合格までに意識して実行したことはコチラの記事にまとめていますので、気になる人はコチラも参考にしてみてください▼

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青年海外協力隊二次試験(面接)で落ちると宣言された

青年海外協力隊二次試験(面接)で落ちると宣言された

JICAの女性
あなたね、そんなんじゃ青年海外協力隊の試験落ちるわよ

 

・・・

 

・・・

 

えっ!?

 

2次試験の会場、面接1時間前というまさかのタイミングでこんなことを言われるなんて、まったく想定していませんでした。

面接会場では冒頭、スタッフから会場の案内、2次試験の流れ、諸注意事項などの説明がなされました。

その説明が一通り済んだ後の待ち時間、全員が緊張してこわばった表情のまま椅子に座って待っている中、私は現職参加希望者向けのブースに行き、個別の相談を受けていまた。

 

現職参加って何?という方は以下の記事も参考にしてみてください▼

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最初は現職参加について軽く聞いてみるつもりだったのが、段々とどうして青年海外協力隊になりたいのかという話になり、仕舞いには面接用に準備していた志望動機や目的について話し込んだのです。

その結果、あなたは不合格になる、といわれてしまったのです。

 

彼女の言い分はこうでした。

 

JICAの女性
今時、国際協力は先進国側が途上国側に何かを一方的に与える時代じゃない。援助する側とされる側、双方がWin-Winの関係になれるような援助のカタチを現地の人たちと一緒になって作らなければならない。会社とのWin-Winの関係作りを考えていない人にそんな活動が出来るとは思えない

 

グサっときた。

 

如何に自分が独りよがりな動機でここにいるか、そしてそんなことは見る人が見れば簡単にわかってしまうということが良くわかった。

確かに「きっかけ」十人十色でいい、でも選考試験においては、どんな言葉で志望動機や目的を表現できるかによって面接官に与える印象、ひいては結果が変わってしまう可能性があります。

面接本番まであと1時間、そんな大切なことを気づかせてくれたこの女性に感謝しつつ、即興でWin-Winをキーワードにして、面接用に準備してきた問答を書き換えるのでした。

 

 

青年海外協力隊 二次試験での面接 一問一答

青年海外協力隊 二次試験での面接 一問一答

面接は合計2回あり、それぞれ見られる部分が違います。

一つは人物面接で、志望動機や目的、人間的な資質、活動に対する意気込み等を量るためのもの

もう一つの技術面接はその活動に見合った技術を持ち合わせているかどうかを量るもの

 

正直、技術面接のほうは全く問題ないと踏んでいました。

自身の持っている社会人経験や海外駐在を含む海外営業としてのキャリアは強みだし、保持しているTOEICも高得点だったので。

問題は人物面接のほうです。

ここからは当時の一問一答を再現しますので、適宜参考にしてみてください。

 

面接官
先ずは志望動機を教えてください

 

オチョ
シンガポール駐在員から突然の人事異動をきっかけに、会社に頼らず得られる更なる海外経験を求めて受験した

 

面接官
なるほど、ではなぜ青年海外協力隊という手段にこだわるのか、掘り下げて教えてください

 

オチョ
はい。現職参加を想定し、金銭的に一番負担をかけずに海外経験を積めて、更には英語以外の新たな外国語にも取り組める手段として、青年海外協力隊が一番効率がいいと考えたからです。加えて、青年海外協力隊として海外経験を積み、2年後にその経験を会社に還元することが、今このタイミングで転職するよりも、会社とWin-Winな関係を構築する最良の手段である、と考えました

 

会社との関係もWin-Winで、というキーワードで志望動機を説明しました。

 

面接官
中南米地域への派遣を希望しているようですけど、その理由はなんですか?

 

オチョ
昨今、自動車産業をはじめとする製造業は、特にメキシコを中心とした中南米地域に製造拠点を移す傾向にあります。一方で当社はまだ、中南米地域のマーケットを営業計画として数値化できるだけの土壌が出来ていません。なので、中南米地域での活動を通じてスペイン語を習得し、更にラテンアメリカ地域のビジネス慣習を身につけることが、2年後の会社とのWin-Winな関係を築く上で重要であると考えました

 

ここでも、中南米に行きたいとかスペイン語を学びたいとか個人的な願望ではなく、あくまで会社とのWin-Winにこだわった結果です、というストーリーです。

 

面接官
会社はオチョさんが選考を受けている事実を承知しています?

 

オチョ
はい、選考のことも現職参加制度を利用することも既に承知済みで、直属の上司にも人事にも話は通してあります

 

ここの根回しは一次試験合格の段階でできているので、胸を張って回答できました。

 

面接官
青年海外協力隊に参加することについて、家族は何と言っていますか?

 

オチョ
家族にも報告済みで、既に承知しています。但し、アフリカ・中東地域への派遣は母親に強く反対されており、要請によっては辞退しなければならない場合があります

 

面接官
そうですか、中南米地域は人気だから合格の幅が狭まるかも知れませんが、よろしいですか?

 

オチョ
はい、その場合は仕方ありません

 

ここはいわゆる家族ストップがないかを確認する場面ですが、私はここであえて、アフリカという選択肢を狭め、第一志望である中南米スペイン語圏への派遣を勝ち取るかけに出ました。

 

面接官
最終的に、会社に自身の活動を理解してもらえなかったら、君はどうしますか?

 

オチョ
会社が反対するとすれば、その理由は2年間の人材流出というネガティブな発想が軸になっているのが原因として考えられる。なので“2年間の人材流出”という視点を“2年後の新たな人材の獲得”というポジティブな視点に変えてもらえるような説得、話し合いをすれば理解してもらえると思います

 

この質問は、いわゆる人物面接特有の意地悪質問です。

ここでネガティブな回答をしたり、会社を突き放すような考え方を表してしまうと、ボランティアとしての素質を疑われかねません。

あくまで、紳士に向き合い、話し合いで解決できる可能性を模索することを回答するのが無難でしょう。

 

と、我ながら、アドリブで2年後の会社への還元などという心にも無いことをスラスラとここまでよく言えたなぁ、と思います。

それにしても、何度Win-Winという言葉を使ったことか(笑)。

面接直前にもらった助言がこんなにも役立つとは思いませんでした。

 

 

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青年海外協力隊 選考試験・・・見事合格!

青年海外協力隊 選考試験・・・見事合格!

その一ヵ月後、私は青年海外協力隊の選考試験合格通知を受け取りました

合格発表はJICAホームページ上に合格者の受験番号が掲示されるのですが、その日は何度も何度もスマホをチェックし、合格結果がアップされるのを今か今かと待ちかまえていました。

合格発表が掲示されたとき、液晶画面いっぱいに羅列された数字をスクロールしながら、自分の受験番号を探して・・・

 

・・・あっ!

 

スクロールする指を止め、番号を何度も確認する。

間違いない、合格だ!

 

あぁ・・・

 

ほっと胸をなでおろす。

でも、そこではまだ油断出来ません。

どこの国のどんな要請内容で合格したのかは、自宅に郵送された合格通知を見るまでわからないのです。

数日後、郵便受けに入っていた合格通知を確認し、そこで初めて要請内容を確認できます。

 

まず、一番最初に確認したのは派遣国です。

 

グアテマラ

 

よし、希望通りの中南米、スペイン語圏だ。

続いて、要請内容は、

トトニカパン県トトニカパン市、経済省中小企業開発局にて現地の中小零細企業の販路開拓、生産性向上、一村一品活動の普及による経済的自立の支援

よし、これも、ほぼ希望通りの要請内容だ!

 

心が躍りました!

この瞬間ようやく、次の2年間歩む道が現実味を帯びて見えてきました。

シンガポーから帰国しておよそ半年での出来事です。

たったの半年なのに、私には永遠のように長い、暗い、先の見えない半年でした。

あぁ・・・・・・・・・・長かった・・・本当に。

 

 

会社への合格の報告と休職の手続き

会社への合格の報告と休職の手続き

お盆休み明けの初日、喜び勇んで合格結果を上司に報告しました。

結果を聞くや否や、青い顔して後釜の心配をし出す上司。

わかってはいたことですが、“合格おめでとう”なんて言葉をかけてくれる人はいませんでした

いいんです、それで。

我ながら良くがんばったものである。

先ずは切符を手に入れた。

 

夕方5時、終業の鐘がなる。

社員一同、形だけの起立・礼をして、お偉いさん達が帰宅しやすい空気を作ってあげると、また席についてパソコンにかじりつく。

いつもの見慣れた光景だ。

私は、いつもどおり起立も礼もせず、静かにパソコンの電源を落とし席を立つ。

ここで働く人たちと自分との間に、見えない線のようなものが引かれた心持ちでした。

さて、合格祝いに一人、うまい酒でも飲みに行こうかな。

夕日になるまでまだ少し時間がかかりそうな明るい日差しのなか、足取り軽く帰路につく。

 

その日からはほとんど毎日、定時で帰宅するようになりました。

有給休暇も一日も残さず消化しました。

引継ぎも終えて、そして、会社を去るときがきました。

当然ながら、送別会などといった気の利いたものもありません。

送別されるような立場でもなければ、そのような関係性をその職場とは築けてもいなかったので、かたくなに断りました。

 

嬉しかったのは、

 

“君と一緒にもっと営業がしたかった”

“一緒に働いた日々が懐かしい”

“出来ることなら戻ってきてほしい”

 

そんな言葉をかけてくださる人がたくさんいたことです。

特に工場のみなさんや技術職のみなさんにこのような言葉をかけていただくことは、営業冥利に尽きるというものです。

私は生真面目で職人気質でちょっぴり頑固だけど親分肌で困ったときにはなんだかんだでいつも助けてくれる日本の技術屋さんたちが大好きで、その人たちのためならどんなに怒鳴られても脇役に徹して身を粉にして働くことにいささかも躊躇しませんでした。

そんな環境で仕事ができたことは自分の中で大きな財産となっています。

 

一方で、そのことと、帰国後に復職するかどうかは別の話です。

 

私は休職の直前、入社以来始めて、ボーナス査定で最低の人事評価をもらいました▼

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この出来事は、ボランティア活動後に復職するかどうかを決める大きな判断要素となります。

だって、終身雇用の神話が意味を成さなくなったこの時代、一度しかない人生、限られた時間、どうせ働くなら自身のことをより高く評価してくれる人と一緒に働きたい、そう思うのが当然ですからね。

人事権を有する側がこのような仕打ちをしてくるなら、こっちもそれなりの態度で応じなければなりません。

私は休職する権利を与えられたことに感謝や負い目などを感じることなく、あくまで会社に戻る価値があるかどうかで復職するかどうかを冷静に考えることにしました。

 

いいよ、別に、そんな会社に帰国した後の場所を用意してもらわなくたって。

帰国した後の自分の場所は自分で作ります。

青年海外協力隊への参加意思を伝えたときの上司達の面食らった真ん丸お目目が思い浮かんだ。

私は心の中でそいつらを笑ってやった。

俺とお前らは対等だ。

負けてたまるか。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

一部上場企業での海外営業、シンガポール駐在を経て、いろいろあって気がついたらグアテマラでボランティア。30にして「レールから外れる」を経験した男の働き方観、離婚経験を含む生活観、そしてボランティアとして生活したグアテマラの魅力、スペイン語学習方法を中心に発信します。