どうすれば青年海外協力隊に合格できるのか?
そんな悩みを抱きながら、少しでもヒントを得ようとインターネットで情報収集している人がたくさんいるのではないかと思います。
なぜなら、私もかつてそうしていた人間の一人だからです。
これをやれば絶対に選考試験に合格できます!
などというノウハウがあるのかどうか、私には分かりません。
ただ、
☆Aさんの場合はどうだった
★Bさんの場合はどうだった
という事例を少しでも多く知っておくことは、試験の傾向と対策をつかむ上で有益な情報であることは間違いないでしょう。
手前味噌ですが私は、
リーマンショック以降の就職氷河期時代に一部上場企業に内定をもらい
倍率の高いコミュニティ開発の中南米派遣に一発で合格し
帰国後は前職より更に大きい&有名な某企業への転職を決めた
など、就職活動を得意としています。
そんな一例として、この記事を役立てていただければと思います。
Contents
青年海外協力隊の選考試験を受けた当時の職歴
現役の大学生、新卒、サラリーマン、学校の先生、医療従事者、などなど毎年様々なバックグラウンドを持った人が青年海外協力隊の試験を受験します。
ご参考に私の青年海外協力隊受験当時の職歴は以下のとおりです。
- 大卒
- 一部上場企業で海外営業を5年以上
- TOEIC800点以上
- 海外駐在経験あり
- 国際協力に興味なし
手前味噌ですが、職歴、海外経験、英語力には他の受験生に引けを取らない自信がありました。
一方で、それまで国際協力には興味を持ったことがなく、学生時代に開発学を学んだこともなければ、ボランティアやNGOでのインターンといった経験もありません。
将来的に国際協力の道に進みたいといったような希望もありませんでした。
さて、これらの私の職歴はどのように評価されるのか?
実際に青年海外協力隊に参加してみて、そこで出会った人々や見聞きした情報を元に、以下のように分析します。
新卒は不利?社会人経験は評価される?
募集要項を見ると、『○年以上の社会人経験』を応募条件に設定している案件もいくつか存在します。
ですが、「社会人経験があるから評価される」ということもなければ「新卒は評価されない」ということもありません。
結局評価されるのは、その社会人経験の中で
- どのような意図を持って
- どのように実行した結果
- どのようなスキルや思いを実に付け
- どうして応募にいたったか
ということを自分ごととして意思を持って語れるかどうかです。
そこに、学生、新卒、社会人などといった身分のくくりで優劣はありません。
英語能力は評価されるか?
英語(外国語)ができないからといって青年海外協力隊になれないということはありません。
まったく英語ができないけど合格した!
青年海外協力隊が始めての海外渡航です!
という人は私の周りにもたくさんいます。
ただし、英語の能力があった方が他の応募者と比較したときに差別化してより評価されることは間違いありません。
特に、応募したい要請がある程度絞られていて、倍率が非常に高い場合などは有利に働きます。
たとえば私の同期の中南米派遣コミュニティ開発隊員は私を含め全員TOEIC800点以上でした。
国際協力に興味なくても青年海外協力隊になれる?
あ、これは簡単です。
なれます!
だって、私がなれたんですから(笑)
実際、国際協力に興味がなくても青年海外協力隊になる人はたくさんいます。
海外生活をしたい人
日本の生活から逃れたい人
就職活動がうまくいかなかった人
外国語を勉強したい人
などなど、みんな様々な思いをもって参加します。
もちろん、青年海外協力隊の選考試験でそんな本音までさらけ出す必要はありません。
学生のときから興味があった
いつか参加してみたいと思っていた
途上国を旅行したときにこんなことを思った
といった程度のアピールを応募書類や面接などにそれとなく織り交ぜておけば問題ないでしょう。
逆にあまり「貧しい国の恵まれない人々を救いたい」という正義感が強すぎると、任地で現実を見たときに夢とのギャップにショックを受けてしまうということもあります。
そのためか、JICAもそこまで国際協力ラブアピールを重要視していないように思います。
青年海外協力隊の一次選考書類を作るうえで重要なコツ
さて、以上のことを踏まえる選り好みさえしなければ割りと多くの人にとって青年海外協力隊になることは難しいことではないことがわかるかと思います。
ただし、そうはいっても誰でも合格できるわけではなく、選考を通じて候補者はふるいにかけられます。
まずは一次試験である書類選考を通過しなければ話になりません!
では、自分のこれまでの経験や青年海外協力隊参加への思いをどのようにまとめれば一次選考を通過しやすいのか?
一番重要なポイントは、「ポジティブに終わる苦労体験」です。
途上国でのボランティア活動は、苦労の連続です。
生活環境の変化にうまく適応できなかったり、言語が通じなかったり、思っていた要請と現地の状況が違っていたり、周りの協力が得られなかったり、思うような活動ができなかったり…
JICAが見極めたいのはそのような、
異文化の人々を相手に思い通りにいかない場面でいかにポジティブな解決策を見つけ出してWin-Winな関係を築けるコミュニケーション能力と柔軟性を有しているか
だと思います。
それをアピールできるのが「ポジティブに終わる苦労体験」です。
過去に実際に遭遇したハプニングや苦労体験を想像してみてください。
思わぬ事態が発生したときに、あなたはどのような考えを持って、どのように行動した結果、どのような解決策を見つけることができましたか?その結果関係者はみんな幸せになりましたか?
このようなことを語れるようなエピソードを探しましょう。
逆に、ネガティブなだけのエピソードや自分本位な結果を出して満足してしまったような苦労体験や成功体験ではマイナスになってしまう恐れがあります。
あくまで、「途上国で問題に直面したときにこの人はどんな行動をするのか?」ということを想像したときに好印象を持ってもらえることを年頭におきましょう。
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青年海外協力隊一次書類選考対策まとめ
以上のことから、青年海外協力隊一次書類選考対策を以下のようにまとめます。
新卒でも社会人でも、これまでにしてきた経験を
- どのような意図を持って
- どのように実行した結果
- どのような経験ができて
- どうして応募にいたったか、
以上の4点を明確にして論理的に、かつ自己PRにつながるようにまとめる。
語学は必須ではないがあるにこしたことはないが、倍率が高く、人気な募集を勝ち取りたければ他の応募者と差別化する意味で必要。
国際協力に対する興味や経験はなくても問題ないが、さりげないアピールを織り交ぜることが望ましい。
といったことを念頭におきながら、「途上国で問題に直面したときにこの人はどんな行動をするのか?」ということを想像したときに好印象を持ってもらえるようなポジティブに終わる苦労体験のエピソードを軸に自己PRをする。
これで完璧!
大事なのは青年海外協力隊に参加する背景を一つのストーリーとして説得力を持たせることです。
一貫した強いストーリーが上述した点に注意しつつ書くことができれば、一次書類選考の通過はそれほど難しいことでもないはずです。
また、能力や適正といったパラメータのほかに、心身ともに健康であるかどうかはとても重要な要素です。
健康診断の結果は操作できませんし、持病がある場合には隠さずに申告する必要がありますが、書類選考で自己PRするエピソードのひとつにスポーツでの経験を織り交ぜられると更に手堅いかと思います。
一次試験に通過してしまえばあとは面接を残すのみ。
こちらもしっかりと対策をして挑めば青年海外協力隊試験合格はもうすぐ目の前です!