スペイン語の条件法・仮定法の使い分けでお悩みのみなさんこんにちは。
スペイン語の Si を使って「もし~なら、・・・」という意味の文章を作るとき、迷ってしまいがちなのが時制ですね。
Si のあとの文章(条件節)は現在形?過去形?また、そのあとに続く帰結節は現在形?過去形?
この記事では、このようなスペイン語の条件法・仮定法における時制の使い分けの悩みを解消するおすすめの勉強方法をしょうかいします。
勉強のコツ・ポイントは、
・条件法と仮定法を区別して覚える
・条件法と仮定法を区別する基準を理解する
・条件法、仮定法、それぞれ基準となる例文をつくる
の3点です。
この記事では分かりやすく、ドラマや歌詞などの有名フレーズを指標となる例文として使い、解説していきたいと思います。
例文はこちら▼
★やられたらやりかえす、倍返しだ!
Si + 直説法現在形 + 直説法現在形(命令形、未来形)
★もしもピアノが弾けたなら思いの全てを歌にして君に伝えることだろう
Si + 接続法過去形 + 直説法過去未来形
★あの日あの時あの場所で君に出会えなかったら僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま
Si + 接続法過去完了形 + 直説法過去未来完了形
一つ一つ見ていきましょう!
Contents
スペイン語の条件法と仮定法の区別
まず、同じSi を使った「もし~なら」の文章でも条件法と仮定法の2種類に分かれる、ということを意識したほうがいいです。(テキストによってはこの二つをあまり明確に分類していません)
条件法は、
「もし値下げしたらそれを買う」
「もし今日買ったら明日配送する」
といったようにある実現可能な条件の話をするときによ使われ、スペイン語的には
Si + 直説法現在形 + 直説法現在形(命令形、未来形)
と、Si のあとが必ず現在形をとるパターンです。
一方で仮定法は、
「もし百万円手元にあったら旅行する」
「もしもっと英語を勉強していたら英語ペラペラになれた」
のように、事実とは反する仮定の話をするときに使われ、スペイン語では
Si + 接続法過去形 + 直説法過去未来形
Si + 接続法過去完了形 + 直説法過去未来完了形
といったように、Si のあとに接続法過去(完了)形をとるパターンです。
この2種類は条件法・仮定法という日本語のネーミングと実際のスペイン語の用法がマッチしているので、明確に分けて覚えると用法も覚えやすくなります。
スペイン語の条件法と仮定法 使い分けの基準は実現可能性?
上述した条件法と仮定法を使い分ける基準って、ニュアンスの違いが微妙で区別がつかないことがあります。
テキストによってはこの区別を、「実現可能性が高いか低いか」という基準で使い分けると書いてあります。
では、
「もし宇宙人が地球に侵略してきたら・・・」
をスペイン語に訳すなら条件法か仮定法か?
と、思う人がいるかも知れませんが、本当にそうでしょうか?
もしかしたら映画MIB(メンインブラック)みたいに、NASAの職員やFBIの一部の人にとっては宇宙人の侵略は現実的にありえるかもしれません。
また、
とかいっている田舎町の博士みたいなおじいちゃんも、いつか宇宙人が地球を侵略してくる、と信じて疑っていないかもしれません。
このように「実現可能性が高いか低いか」という基準は人によって相対的なので、必ずしも
「現実にはありえない仮定の話 = 仮定法」とはなりません。
このような微妙なニュアンスを使い分ける場合、基準にすべきは客観的な「実現可能性」ではなく、それを言っている本人の主観です。
強い思いを持ってする主張(信念、夢など)か、それとも実現しないことを前提にした弱い主張(諦め、妄想など)か、といったそれを言っている本人の主観で判断する方がより会話的で自然です。
つまり、言い換えれば簡単なことで、あなた自身があなた自身の判断で使い分ければいいだけ、ということです。
スポンサードサーチ
条件法・仮定法 時制の使いわけの基準となる例文集
以上のような使い分けの基礎知識を前提に、条件法と仮定法それぞれの使い分けの基準となる例文を、ドラマや歌詞などの有名フレーズを使って見てみましょう。
スペイン語の条件法(Si + 直説法現在形)のケースと半沢直樹
まだ現実にはなっていないけど、もしそれが現実になったら(条件が整ったら)どうするか。
そのような実現可能な想像に基づく条件、あるいはセールスの価格交渉といった場面で使うのが条件法(Si + 直説法現在形)です。
半沢直樹の「やられたらやり返す」も、「目には目を」と同じような、本人が持っている主義や信念であり、「(実際には現実になっていないけど)もしやられたら、(その対策として)やり返す」ということです。
このような自分の強い信念を語るときは、それが現実になることを前提にした想像に基づいているので、
条件法: Si + 直説法現在形 + 直説法現在形(命令形、未来形)
が使われます。
条件法Si + 直説法現在形のおすすめ勉強方法はこちらの記事に詳しく書きました▼
スペイン語の仮定法(Si + 接続法過去形)のケースと西田敏行
現実とは違うけど、もし仮にそれが現実だったら(あくまで仮定のはなし)どうするか。
そのような未来の想像ではなく、現実に反する仮定に基づいく妄想や、諦めが前提の話で使うのが仮定法(Si + 接続法過去形)です。
西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」はピアノが弾けないどころかピアノを持ってすらいない男の、半ば諦めのような歌詞です。
このように強い主張もなく、現実逃避や諦めといった場合は、それが現実になることを前提としない妄想に基づいているので、
仮定法: Si + 接続法過去形 + 直説法過去未来形
が使われます。
仮定法Si + 接続法過去形のおすすめ勉強方法はこちらの記事に詳しく書きました▼
スペイン語の仮定法(Si + 接続法過去完了形)のケースと小田和正
仮定法の中でも Si + 接続法過去完了形をとるケースは、既に過ぎ去った過去の事実と反する仮定です。
意味合いやニュアンスも他と明らかに違うので、時制で迷うことは比較的ないかと思います。
また、動詞の活用もhaberの接続法過去形しか使われないので、文法の名前の割には比較的に簡単に使うことが可能。
過去の時点でした行動や起きた出来事に対して、「もしあのとき〇〇していれば(していなければ)」、「もしあのとき〇〇が起きなければ(起きれば)」といった過去の後悔や、過去に起きた幸運(奇跡)について話すときに使われます。
小田和正の「ラブストーリーは突然に」まさにそんな、「もしあの時君に出会えていなかったら」という運命の人に出会えた奇跡を歌ったものなので、
仮定法: Si + 接続法過去形 + 直説法過去未来形
が使われます。
仮定法Si + 接続法過去形のおすすめ勉強方法はこちらの記事に詳しく書きました▼
スペイン語の条件法・仮定法(Si) これで攻略!
この記事をまとめると、スペイン語の条件法・仮定法それぞれの時制を使い分ける方法として、
・条件法と仮定法の明確に区別して覚えること
・条件法と仮定法の区別の基準は客観的な実現可能性よりも主観としての実現可能性を重視すること
・条件法(Si + 直説法現在形)、仮定法(Si + 接続法過去形)、仮定法(Si + 接続法過去完了)、それぞれの指標となる例文を自分の中に持つこと
この3つのポイントを意識的に勉強することをおすすめします。
この3つのポイントさえ抑えれば、あとは繰り返し練習して身体(口)に馴染ませながら覚えるのみです。
条件法(Si + 直説法現在形)、仮定法(Si + 接続法過去形)、仮定法(Si + 接続法過去完了)それぞれの練習方法については上にリンクを貼った個別に記事にまとめてありますのであわせて参考にしてみてください。
その他スペイン語基礎文法学習者向けに書いた記事がこちら▼
>>>[初心者向け]独学ではじめてのスペイン語を勉強するなら文法と会話フレーズの平行学習がオススメ
>>>超簡単!スペイン語のSaberとConocerとPoderの違いを分かりやすく解説
>>>スペイン語の直接・間接目的格代名詞の位置を色分けで覚える
スペイン語の語彙力、単語力アップのための勉強法について書いた記事がこちら▼
>>>スペイン語の語彙力をアップしたいなら単語帳を買うのではなく作って覚えるべし
>>>覚えづらいスペイン語の動詞をGoogle画像検索を使ってイメージで記憶するコツ
>>>スペイン語単語の語彙数を飛躍的に上げる3ステップ記憶法のやり方