青年海外協力隊に参加することを“冒険”と表現する人をごくたま~に見かける。
『青年海外協力隊』という言葉にそんな夢と希望に満ちたビジョンを期待している若者とは真逆に、
スペイン語を習得する方法として一番コスパがよいから
という理由で私は青年海外協力隊になりました。
いろんな理由で青年海外協力隊に参加しようとする人がいますが、『冒険のために青年海外協力隊』というと、ちょっと期待し過ぎで危ういんじゃないか、と思います。
私がボランティアとしてグアテマラに派遣されて、実際に感じたリアルを書きます。
Contents
青年海外協力隊として途上国に来たときに感じだ印象
青年海外協力隊の派遣国であるグアテマラに到着して間もなく、これが私のグアテマラに対して感じた第一印象です。
高いビル群、往来する車の喧騒、むわっとくる排気ガスの匂いなどは、首都グアテマラシティの光景は私がこれまで見てきたジャカルタやホーチミンといった東南アジアの都市とさほど変わりませんでした。
空港から、JICAの車で語学学校のあるアンティグアへ移動して、そこで1ヶ月間の語学学校生活とホストファミリーとの生活。
確かに知らない土地だし見たことのない中米の光景に最初は興奮するけど、すぐにそれは日常になり、「異国で吸う新鮮な空気」は長続きはしませんでした。
スペイン語も普通に通じます。
語学訓練でみっちり勉強したおかげ、もちろんそうですが、生活に困らないレベルの外国語なんてその国で生活していたら誰だって大して努力しなくても習得することが可能です。
ホストファミリーとスペイン語で会話し、語学学校で先生に教わり、カフェやバーで使っているうちに。
となります。
このように、ほとんど期待せずに青年海外協力隊になったような私でも「拍子抜けする場面」に何度も出くわしました。
青年海外協力隊は準備されたレールに乗っかれば自分で考える必要がない
拍子抜けしたときにふと思い出すのは大学時代にイギリスに語学留学したときのことです。
当時英語もしゃべれなければそもそも外国人と話したことなどほとんど無かった私にはものすごい衝撃だったし、苦労と恐怖の連続の日々でした。
道に迷って泣きそうになったり、友達がなかなかできなくて不安に押しつぶされそうになったり・・・
イギリスは先進国だし英語も通じる、それでも、グアテマラでの日々に感じるよりも一層エキサイティングで刺激的な日々でした。
仕事で海外を飛び回る時も同じです。
プレゼンを成功させなければならない、契約を取ってこなければならない、そんなプレッシャーを背負って行く海外出張は飛行機に乗っているときもホテルについたときも、気が休まることがありません。
それらの自身の経験と照らし合わせると、青年海外協力隊ほど恵まれた環境もありません。
なんたって、JICAという巨大な国家組織がスポンサーについていて、万全のサポートを用意してくれるのですから。
事前に70日間も使ってみっちり、その地で使う外国語を教えてくれて、
それだけでなく、異文化理解のこととか安全対策のこととか、海外生活が始めての人でも安心できるように「いろは」をみっちり訓練し、海外での不安は派遣前に出来る限り潰して最小限にしてくれます。
そして航空券も取ってくれて、任国の空港に着いてからは安心して腰を下ろせる場所までの移動、宿泊も全て手配されている。
更に更に、到着してからの(配属先により多少の良し悪しはあるが)プログラムもきちんと整備されていて、現地の日本人スタッフが逐一、生活や活動をサポートしてくれる。
海外初心者の人にとって、ここまで安心できる手厚いボランティアプログラムは他に無いのではないかと思います。
このように、私の知るかぎり青年海外協力隊に冒険の要素はありません。
スポンサードサーチ
青年海外協力隊の正体は誰でも参加できる手厚いボランティアプログラム
青年海外協力隊の正体、それは日本一手厚いボランティアプログラムです。
「住む場所が発展途上国」である、というだけでなんとなくビジュアル的に冒険っぽくなるだけです。
でも実際、冒険かどうかの要素って場所が発展途上国かどうかはあまり関係ないと思います。
リスクや不安をどれだけ自分の頭で考えて回避し、どれだけ自分から行動を起こして不安に抗うか、の方がよっぽど重要だと思います。
青年海外協力隊という言葉から得られるイメージって、それにまつわる広告やメディアから刷り込まれている部分が大きいのが現実。
でも実態はみんな知ってのとおり、JICAという巨大な組織が運営する日本一手厚いボランティアプログラムで、当然ながらボランティアの安全は第一優先で確保されていて、予測しうる不安、リスク、不確実性は全て排除されています。
ましてや、経済的な不安も取り除かれていて帰国したら貯金も貯まっているわけです。
なのであまり“未知の世界へ飛び込むんだ!”という期待を持ちすぎると肩透かしを食らうことになりかねないので注意が必要です。
青年海外協力隊後の人生の方が長い
当たり前ですが、青年海外協力隊後の人生の方が圧倒的に長いし大事!
アフリカとかもの僻地に派遣され、刺激的な日々を過ごして、ザ・国際協力やってます的な外国の子供達の笑顔に囲まれた写真をSNSにアップして、
・・・
・・・
・・・
それで手元に何が残るのか?
多分だけど、何も残らない。
例えば、外国語の勉強は十分にしたか?
とりあえずコミュニケーション取るのに困らないレベルに達したらそこでおしまいになっていないか?
再就職しようとして、自身の興奮の2年間を面接官に力説したところで、
でおしまい。
場当たり的な興奮、冒険というなんとなくかっこいいイメージ、それに終始して2年間が終わってしまったら、結局帰国後もやはり場当たり的な道にたどり着いて、そこで“刺激が足りない”、“俺のいるべき場所はここではない”とか不満ばかり垂れ流す日々を繰り返すんじゃないでしょうか?
大事なのは、
地に足をつけ、2年後のあるべき姿(ヴィジョン)を、ぼんやりでもいいから思い浮かべて、そこから残された時間を逆算して、じゃあ今何をやるべきか、ていうのを考えて今を過ごすこと
だと思います。
海外生活体験なんてのはSNSにアップされた瞬間その役目を終える自己満足ネタでしかありません。
実際に、大きな感動も興奮もなく現地の生活に馴染むことができてしまう人だって、私を含めたくさんいます。
協力隊活動後に進む道、民間企業でも学校の先生でもNGOでも起業独立でも国際協力でも地域おこしでも、輝いている人ってのは少なからず、任地に来て現地の人と向き合って熱心に活動する一方で帰国してからのヴィジョンも同時並行して考えていた人ではないかと思います。
海外生活=冒険って考え方も素敵だと思いますが、それに終始せず、Youtube見たり日本の漫画やドラマを見ている暇な時間があったらその時間をちょっとだけ、帰国後を見据えた行動というものに使ってみたらよいのではないか、と思います。
冒険ってこ言葉が自分には似合いませんが、場当たり的な満足感と守られていることも忘れて不満タラタラな感じになっている自分に喝を入れてもらえるブログでした。
ありがとうございます!!
がっきーさん
コメントいただき、ありがとうございます。
記事を書くときは自身に喝を入れることを意識していますが、その記事が読んでいただいた方にも、よい刺激を与えたということはとても嬉しいことです。
今後ともよろしくお願いします。
オチョ
とても参考になる興味深い記事ですね。ありがとうございます。
ところで、よくボランティアの方から聞くのは実際に赴任したら要請内容とは全く違ったって不満なんですけど、
オチョさんの場合は大丈夫でしたか?
ウノさん
コメントありがとうございます。
私の場合は大丈夫でしたが、確かに周りのボランティアから要請内容と全く違った、というケースをたまに聞きます。
現地に要請が出てから実際にボランティアが着任するまで、1年以上経過している場合が多いので、派遣前は要請内容を鵜呑みにしない(期待しない)のが賢明です。
もし他に質問などある場合、ツイッターをやっていましたらそちらからメッセージ送っていただく方がお返事しやすいです。
オチョ